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チームがまとまらないとき──そこに潜む“変化へのブレーキ”とは?

  • コラム

インドでの出来事

「いや、今のままでいいじゃん。自分たちなりにベストは尽くしてるよ」

赴任して間もない頃、インド人マネージャーのサティッシュが私に言った一言。
それを聞いた瞬間、私は内心で怒鳴っていました。

「おいっ、お前いい加減にしろよ。今のままでいいって、それはもう“後退”なんだぞ!」

サティッシュは、怪訝な表情で「……Yes, Sir」と答えました。
でも、私はその瞬間、強烈な焦りと共に確信したのです。

──このままじゃ、何も変わらない。組織も、数字も、未来も。

億単位の赤字事業、変われない組織

当時私は、年間億単位の赤字を出していた海外製造拠点の立て直しを任され、インドに単身赴任していました。

本社からのプレッシャーは想像以上で、「藤田〜数字どうなったぁ?」という電話やメールが毎日のように届きました。まさにマイクロマネジメントの嵐。

現地では「今のままでいい」「変える必要なんてない」という声が根強く、変革への意識はゼロ。何とかしたいのに、周囲の温度は低い。
──そんな状況に、私は苛立ち、焦り、そして奮起しました。

変革の起点は「健全な危機感の醸成」

多くの組織が変わらないのは、「現状維持の心地よさ」に浸っているからです。大きな問題が“起きていない”からこそ、変化へのモチベーションが生まれない。

しかし、それこそが最大のリスクなのです。

ジョン・P・コッターの著書『企業変革力』では、こう述べられています。

「現状満足を増強し、かつ現状を維持しようとする
諸力からの影響を決して過小評価するな」

変革は、まず「健全な危機感の醸成」から始まります。
これは、“恐怖”ではなく“希望”のためのエネルギーです。

このプロセスを起点に、私は本気で組織変革に取り組みました。

プロセスに含まれる“10の課題解決”

前回のコラムでもお伝えした通り、変革に必要な10の視点があります。
それは以下の通りです。

1.経営理念やビジョンが自分ごと化されていない

2.戦略の“なぜ”が共有されていない

3.チームの全体像が把握されていない

4.現場の声を吸い上げる仕組みがない

5.本音で対話する場がない

6.理想像が押しつけられている

7.施策がSMARTに整理されていない

8.GRPI(効率性モデル)が機能していない

9.関係の質が悪く、バッドサイクルが起きている

10.関わり方・あり方の理屈がない

これらを、コッターの8ステップと重ねながら解決策として落とし込んでいく。
その実践こそが、組織を本質的に変えていく鍵になるのです。

サティッシュとのその後──信頼のカシューナッツ

さて、冒頭で出てきたサティッシュ。
変革の旅が数ヶ月経過した頃、彼は組織変革の最強のパートナーとなっていました。

ラクノウという田舎町での仕入れ先対応、数々の困難なプロジェクト──すべてを、彼と乗り越えてきました。
一緒に食べたカシューナッツの美味しさ、あの時のビールの喉越し、そしてなぜかインドで踊った“カンナムスタイル”。

「おいっ!」と思う抜けてる場面もたまにはありましたが(笑)、サティッシュの存在なしでは、私たちの変革は成り立ちませんでした。

今でも、チームでビールを飲みながら、笑い合った夜を思い出します。

現場の「Yes Sir」に、想いは込められているか?

チームが変わらない──そう感じたとき、変わるべきは「外」ではなく「内」かもしれません。

変化を恐れる気持ち、今の心地よさを手放す不安。
それらを“健全な危機感”へと転換できたとき、組織は動き始めます。

大切なのは、怒りで突き動かすのではなく、“やりがい”という火種を見つけ、チームに届けること。

サティッシュの「Yes Sir」が、本当に“心からのYes”に変わった時、
私たちのチームは生まれ変わりました。

この続きでは、「どうやって健全な危機感を醸成するのか?」をさらに掘り下げてご紹介していきます。

やりがいで可能性を最大化し、のぞむ未来を共に叶える──その実現に向けて、これからも伴走してまいります。最後までお読み頂きありがとうざいました。


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藤田は、論理と情理の両面から、
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