「自分がいないと動かない組織」からの脱却──“変革推進チーム”のつくり方
- コラム

なぜ組織が動かないのか?──現場に潜む「静かなブレーキ」
「また自分がいないと動かない…」
会議で合意したのに、現場で実行されない。このような“もどかしさ”を感じたことはありませんか?
組織変革に携わる中で、私が何度も直面してきたこの課題。その根本原因は「やる気」ではなく、「チーム設計の構造」にあることを6カ国での事業再生経験から学びました。
変革を成功させる鍵は、“構造”です。いかにチームの編成を見直すか。その設計が変われば、現場は自走を始めます。
ジョン・P・コッターが説く「強力な変革推進チーム」の4条件
組織変革の名著『企業変革力』で、ジョン・P・コッターはこう述べています。
- ポジション・パワー:影響力を持つ人物がチームにいるか
- 高い専門性:多機能をまたいだ知見が備わっているか
- 信頼感:社内から信頼を得ているか
- リーダーシップ:ビジョンを語り、巻き込む力があるか
私自身、当初は“声をかけやすい人”ばかりでチームを構成してしまっていました。
結果、現場に戻ると活動が止まり、挫折の繰り返し。そこから本気で設計を見直しました。
強力なチームを生み出す「4つの再設計」
1. ポジション・パワー:拠点長をヘッドに据える
まず手をつけたのは、“権限”の見直し。各拠点長をチームヘッドに置き、部門横断のマネージャーも加えました。さらに現場実行スピードを担保するため、実務リーダーを併任。日本本社からは経営企画役員を据え、インドと日本の両輪体制でスピーディーな実行を目指しました。
2. 高い専門性:横断型“機能ミックス”の構築
製造・営業・品質保証・技術・人事などの機能部門を横断的に編成し、情報と視点のサイロ化を打破。日本側からも同様に部門メンバーを選出し、ダイナミックな知の融合を図りました。
3. 信頼感:エゴと信頼を見極める
高い能力を持ちながらも信頼を得られていない人材は、今回はチームから外しました。
「あなたの出番は今じゃない」と率直に伝え、別の場で貢献してもらう選択をしました。その代わり、よい行動をした際には即フィードバック。エンゲージメントを損なわず、全体最適に寄与する形を模索しました。
4. リーダーシップ:動機づけの火種を撒く
唯一リーダーシップに秀でていた拠点長には、毎回「未来を語る役割」を担ってもらいました。
「ビジョンを語る」→「共通の未来像を持つ」→「行動が変わる」
この一貫した構造が、チーム全体のエネルギーを育んでいきました。
自分がいなくても、組織が動く──その設計とは?
こうして「変革推進チーム」が完成しました。
…が、動いたのは最初の会議だけ。組織が本当に動くには「信頼」と「共通目的」が必要です。
「仲が悪い」「他部門に遠慮がある」そんなチームでも、“信頼関係で包む”ことで再起動するのです。
次回のコラムでは、「横断チームが本当に動き出す信頼のデザイン」をお届けします。
変化の時代に「やりがいで人を巻き込む」組織へ
株式会社エンゲージメントフォーカスは、これまでに100社以上・700名超の変革支援を実施してきました。
- 海外6カ国での事業再生
- MBAでの経営理論習得
- 現場と経営を結ぶファシリテーション
これらを統合した独自メソッドで、「自分で考え、自分で動く組織」をつくるお手伝いをしています。
社員の“やりがい”は、企業の最大の資産です。
「社員が受け身」「任せられない」と感じている経営者・人事の皆さまへ。
私たちと一緒に、やりがいで組織を再起動してみませんか?
やりがいで可能性を最大化し、のぞむ未来を共に叶える──その実現に向けて、これからも伴走してまいります。
最後までお読み頂きありがとうざいました。
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