「お荷物」と言われたチームが社長賞へ──“やりがい”が火をつけた再生のストーリー
- コラム

「おいっ、いい加減にしろよ!前の会議でやるって言ったじゃんか!聞いてるのか?」
2016年、私はインドの製造拠点に駐在していました。
そこは、前年に二桁億の赤字を叩き出した工場。
「お前が行ってダメなら、閉鎖する」──本社からはそう告げられ、プレッシャーと向き合いながらの単身赴任が始まりました。

現場の状況は最悪でした。
工場内は整理整頓がされておらず、不良品があふれ、現場では毎日怒鳴り合い。
会議では「チームのせいだ」「あっちが悪い」と責任の押し付け合い。製造現場と経営企画チームの関係性は最悪で、数字も感情もバラバラ。
もちろん成果も出ない。
それだけではありません。
気温40度を超える酷暑。スモッグが舞う冬。
道路は凸凹で、牛や豚が普通に歩いている。


日本に残した妻と幼い子どもたちに会えない日々の中で、心も体もすり減っていきました。
でも、私は諦めたくなかった。
成果が出ないチームの“10の共通点”
冷静に振り返ると、「成果が出ないチーム」には明確な共通点がありました。私はその構造を以下の10個に整理しました。
1.経営理念やビジョンが自分ごと化されていない
2.戦略が“なぜ”その戦略なのか納得されていない
3.チームを“点”でしか捉えず、全体を見れていない
4.現場の声を吸い上げる仕組みがない
5.本音で対話する場がなく、関係が希薄
6.理想のチーム像が押しつけられている
7.施策がSMARTで整理されていない
8.GRPIモデル(効率性モデル)が機能していない
9.関係の質が悪く、バッドサイクルに陥っている
10.関わり方・あり方の理屈が抜け落ちている
この10個に真正面から向き合い、関係の質を高め、対話を促し、組織構造に手を入れていくと……。
自走するチームへの変化──“やりがい”が火をつけた
すると、現場が変わり始めたのです。
「ミスターフジタ、本当は悔しいんだ。お荷物と言われているのが……。でも、俺たちで変えていきたい。いつか肩を組んでダンスパーティーをしたいんだ。」
「ミスターフジタ!今月のうちの改善、見てくれ!最高のチームになってきてる!」
「ミスターフジタ、この間言ってた数字、気になって調べてみたんだ。そしたら、改善点が見つかったよ!」
1年半後、赤字は大幅に圧縮。あと一歩で黒字転換というところまできました。
そして、私たちのチームは「海外拠点で唯一の社長賞」を受賞しました。
その賞金で、ダンスパーティーを本当に開催しました。
まさに「ダンスパーティー」の夢が叶ったのです!

ダンスパーティーが教えてくれた“最高のチーム”とは
あの夜の笑顔、肩を組みながら笑い合った感触、スパイスの香り、美味しいビール──あの瞬間、「チームって、こんなにも幸せになれるんだ」と心の底から思いました。
経営企画として、戦略や仕組みはめちゃくちゃ大事です。本当に心からそう思います。
でもそれだけだと、心が反ってしまいチームは動かない。
つまり、論理と、情理両方の配慮が大切なのです。
“やりがい”がチームを動かし、成果が生まれ、そして絆が強まる。
それは戦略や仕組みだけでは成しえない、人の“感情”と“関係性”が生み出す奇跡なのだと確信しました。

この先に伝えていきたいこと
私は今、あの経験を通して得た「成果を出すチームの構造」を日本の企業や組織に届けたいと考えています。
どんなに素晴らしい戦略を描いても、やるのは“人”。だからこそ、「組織のカラクリ=構造」を理解し、「やりがいの火種」を灯すことで、誰もが自走するチームをつくることができるのです。
この後のNoteでは、成果を出すための“10の構造ポイント”をさらに具体的に解説していく予定です。
よろしければ、ぜひフォロー頂けると嬉しいです。

やりがいで可能性を最大化し、のぞむ未来を共に叶える──その実現に向けて、これからも伴走してまいります。
最後までお読み頂きありがとうざいました。

「やりがいで可能性を最大化したい」と感じた方へ
組織やチームに、もう一歩の変化がほしい。
メンバーとの対話を通じて、関係性を築き直したい。
目の前の課題に、何かヒントがほしい。
そんな時は、どうぞ気軽にご相談ください。
藤田は、論理と情理の両面から、“現場に根ざした変化”を一緒にデザインしていくのが得意です。
これまでに、年間のべ700名以上のビジネスパーソンと伴走し、企業の中で起こるリアルな悩みと真剣に向き合ってきました。
一つひとつの声に耳を傾けながら、組織にも個人にも、確かな変化を届けたい。
そう願って活動しています。
あなたの組織にも、あたたかな変化が起こるきっかけを。そして、組織にやりがいのデザインを!
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